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【報告】仙台・宮城ブース

Women Can Do It! 女性と防災まちづくり

「女性と防災」テーマ館の5階に設置された「仙台・宮城ブース」は、被災地の女性たちと直接交流しながら震災の経験を聞いたり、ミニイベントや展示を通して防災・復興について考えたりできる場として、連日多くの方が訪れました。

リレースピーチ“Women Speak out!” 想いをつなぐ

5日間で66名の被災地の女性たちがスピーチを行い、震災から4年経った「今」の想いを伝えました。

  • あの日、すっかり変わってしまった景色のこと
  • 震災直後、何もできなかった自分の無力感
  • 避難所生活の中で考えた、誰にとっても過ごしやすい避難所のこと
  • 震災を機に芽生えた想い、将来の夢
  • 辛い経験をしたけれど、自分にできることを積み重ねていきたいという希望

被災の程度に関わらず、仙台・宮城に住んでいるからこそ伝えられる想いがあり、お一人おひとりの言葉に心が動かされました。

津波の被災経験を語り、「今まで人前で泣くことなんてなかったのに、今初めて泣いた」という方。人前で話すことをためらっていたけれど、仲間のスピーチを聞いて、「私も想いを伝えたい」と手を上げてくれた方。この場で想いを伝えることで、スピーチをした方々の心にも、変化があったようです。

そして多くの方が語っていたのが、「この経験をいつまでも伝えていきたい」ということ。東日本大震災での経験を風化させず、次の備えに生かしていくためにも、一人ひとりが経験を語り継いでいくことが大切だと実感できました。

リレースピーチ特別編 ~仙台から神戸へ、想いをつなぐ~

テーマ館2日目の3月15日朝、神戸から女子大学生26名が訪れました。イベント開始まではまだ時間がありましたが、テーマ館サポーターにご協力いただき、急遽リレースピーチの会場をセッティング。神戸からの支援に対する感謝の気持ち、若い女の子たちに声を上げてほしいというメッセージ、仙台のガールスカウトによるスピーチなど、神戸の学生さんたちに仙台から想いをつなぎました。

スピーチが終わると、神戸から感謝の気持ちとして、阪神淡路大震災復興のシンボル曲「しあわせ運べるように」のコーラスのプレゼントがあり、フロア全体が温かく優しい空気に包まれました。

学生さんからは「被災地女性の生の声を聞くことができ、今日ここへ来て良かった」、サポーターからも「自分たちの経験や、感謝の気持ちを伝えられた。非常に良い交流ができた」という感想があり、その場にいたすべての人にとってかけがえのない時間となりました。

手仕事品マーケット

仙台宮城ブースを彩ったのが、被災地の女性たちが心を込めて作った手仕事品の販売ブース。毎日日替わりで、計15団体が出店しました。

色とりどりの雑貨や見ているだけで癒されるお人形、女性たちのアイディアグッズなど、素敵な商品が盛りだくさん!作り手の女性たちと楽しく交流しながら、それぞれのお気に入りを購入していきました。海外からのお客様の姿もあったのは、国際会議ならでは。

作り手の女性たちが口をそろえて話していたのが、手仕事品の販売はものを作って売るだけではなく、「心の復興」につながっているということ。

「震災で落ち込んだ気持ちも、仲間と集まり、ものづくりをしながら話すことで、前向きになれる。」

「商品を通じて、たくさんの支援に対する“ありがとう”の気持ちを伝えていきたい。」

手仕事品に込められた想いと、被災地から立ち上がっていく女性たちの姿が、人々を惹きつける魅力なのかもしれません。

非常食等の試食・試飲

薬草茶の試飲(女性薬剤師会)

レモングラスやドクダミなどのハーブティーの試飲を行いました。リラックス効果のあるハーブティーは、疲れた心や体を癒してくれます。女性薬剤師の方々が一つひとつ効能を丁寧に紹介しながら、立ち寄った来場者にお茶をふるまい、安らぎのひとときを過ごしました。

子どものための非常食(サークルPAL)

非常時に火がなくても簡単に作れる「おにぎらず」の試食を行いました。「おにぎらず」は海苔の上にごはんや好みの具材をのせ、さらにごはんをのせてサンドするので手を汚さず、お子さんと一緒に楽しく作ることができます。用意していた試食はあっという間に完食!

バーラちゃんの非常食(仙台市地域栄養士会子どもの食事研究グループ)

「もちもちプチパン」と「冷製味噌スープ」の試食を行いました。このメニューは、日常から子どものおやつとして材料を備えて作っておけば、非常時でも焦らず、好き嫌いの多い子でもおいしく食べることができます。普段の食事にも使えるレシピが載った「バーラちゃんの非常食BOOK」も大好評でした。

笹かまぼこの試食(株式会社鐘崎)

仙台名物ということもあり、笹かまぼこの試食は県外からの来場者にも大人気でした。提供してくれた鐘崎代表取締役の嘉藤明美さんは、シンポジウム「復興に向けて動く企業の女性たち」のパネリスト。社員の女性から、笹かまが非常食としても使えることの紹介もありました。

ミニイベント・ワークショップ

絵本・紙芝居の読み聞かせ(みやぎ子どもの文化を支援する会)

3日間行われた震災に関する絵本や紙芝居の読み聞かせ。震災時に実際にあったことを元にした物語もあり、絵本を通じて、震災によって失ったものや気づいたことを、改めて考えさせられました。また、津波から身を守る方法を教える紙芝居では、観客も一緒に「にげてー!」と声を出して参加する場面も。絵本や紙芝居は、子どもに防災教育を行うための教材としても役立つことを実感できました。

防災ゲーム(Wakka~地域夢つなぐ実行委員会)

すごろくとクイズを組み合わせたゲームで防災について学びました。小さなお子さんが、3択のクイズに見事正解し盛り上がる場面も。ゲーム形式なので、老若男女誰でも楽しく、そしてわかりやすく、非常時に使える知識を身につけることができました。

みんなのための避難所づくりワークショップ(せんだい防災プロジェクトチーム)

多様性に配慮した避難所運営に向け、東日本大震災の時に避難所で実際に起こった様々な問題について、みんなで話し合いながら解決策を考えるワークショップを実施しました。参加者の中には関東から来た方や、実際に避難所生活を経験した方もいて、様々な立場から意見が飛び交いました。

展示

  • 「3.11東日本大震災 報道写真展」(河北新報社)
  • 気仙沼市 震災復興・企画部 地域づくり推進課 男女共生推進室
  • つるし桃の「仙台かえりびなの会」
  • タペストリー(チームはぎ/はまなす蒲生・港の会/仙台市若林区なな色会/高砂一丁目公園仮設住宅)
  • 生け花(古流ふたばサークル)

震災発生直後の被災地の写真や、気仙沼で被災した女性の活動を紹介するパネル、震災による行方不明者の数だけつくられた桃の吊るし飾りの展示には、足を止め真剣な面持で眺める来場者の姿が多く見られました。また、被災地の女性グループが、ノルウェーの編み物デュオ「アルネ&カルロス」から教わった“フラワーコースター”と、自分たちの作品を組み合わせて製作したタペストリーや、テーマ館サポーターによる季節の花を彩った生け花が、会場を華やかにしてくれました。

問い合わせ

エル・パーク仙台 管理事業課
〒980-8555 仙台市青葉区一番町4-11-1 141ビル(仙台三越定禅寺通り館)5階
電話番号:022-268-8301 ファックス:022-268-8316